 [data]
A『あさくさくれないのすたるじー』
紙:タントセレクト TS-1 R-5 四六判 70kg
箔:レッドメタリック箔・レンチャー箔K247
加工:箔押し+型抜き
B『トーキョータンブラーEXTRA(おまけ)』
紙:ピーチコートWE-135 四六判 134kg
箔:艶消し銀2B箔・グリーンメタリック箔
加工:鏡面加工+箔押し+型抜き
[crew]
加工/コスモテック
デザイン/NOGBo2X(野口尚コ)
3作連続でデザインさせていただいたコスモテックの箔押しサンプルキャンペーンの最終回です。
毎回、営業の青木さんと私で「この素材、使ってみたい!」というものを持ち寄り進めてきたトーキョータンブラーですが、「あさくさくれないのすたるじー」の出だしは、ホログラム箔見本帖に入っている「レンチャー箔」でした。
なんでこんな難しい箔がスタンダードなホロ箔見本に入っているのかという話から(村田金箔さんゴメンナサイ)「これ、上手く使えたら格好いいよね!」という青木さんの難題に、「レッドメタリックも追加して、強い印象の箔でノスタルジーが表現できたら面白いですよね!」と、その場で自ら難題を追加してしまい……。分かってるのか、やるの自分だぞ(と、その時の自分に言ってやりたい)。
紙のチョイスには、古布っぽい「タントセレクト TS-1 4/6 70kg R-5」を。同様に布地っぽい半透明紙「ヴァランティノアズ」も考えたのですが、色味とヴァリュー感でTS-1にしました。特殊紙の中では意外と安くて面白いのがタントセレクトのイイところです。エンボスのせいで箔は乗りづらいですが、結果的に布目のボソボソが箔に影響することでノスタルジックさに貢献してくれたと思います。
ともかく、素材とテーマは決定。そこからイラストの段階で、古き良き下町を描こうか……などと考えていたところ、青木さんから「ピーチコートに空押しで面白い加工ができるので、それであさくさの版+1版使ってクリスマスバージョン作りましょう」とのご連絡が。
えええええ、下町と、クリスマスを同じ版でー?
真っ白なピーチコート+銀+グリーンメタリック+鏡面加工(ピーチコートに空押し)。確かに素材はクリスマスっぽい。でも取ってつけたようなクリスマス素材サンプルは嫌なので、デザインもちゃんとクリスマスにしたい!
そこで青木さんに確認していただいたのが「鏡面加工の上から箔押しが可能かどうか」でした。
鏡面加工とは、ピーチコートに熱圧でプレスを加えることで、表面がその部分だけピカピカのグロスになる加工です(色味も多少変化します)。箔を乗せない空押しですし、ピーチコートの平滑さなら上から箔押しができるんじゃないか……と。幸い、勘が当たって重ね押しOKのご返事。
となれば隠したい部分を鏡面加工にし、上から箔で隠しつつ、だまし絵のように絵柄をチェンジしちゃえ! と考えたのが今回のデザインです。いやー、正直、すごく面倒でした(笑。
テクニック的なポイントは、やはり「レンチャー箔の使い方」と「ピーチコートの鏡面加工」です。
レンチャーは、もとの規則的な円を上手く分散できるように気をつけながら、上部の萩と着物の花柄を描きました。イラストレーターに疑似スウォッチを作ってシミュレーションしながら描いたのですが、現物は予想以上に複雑なきらめきが出て大成功。この貝殻ボタンのような質感はレンチャーじゃないと出せなかったと思います。
ピーチコートの鏡面加工も、初体験でしたが不思議な質感。純白マットなピーチコートに、プレスだけで透明感のあるグロスがクッキリ現れるのは驚きです。「パチカ・OKフロート・ピーチコート」はそれぞれ熱圧押しで特徴の出る紙として使い分けると面白いですね。
半年以上にわたるコスモテックさんとの共同企画。本当にたくさんのことを勉強させていただきました。なにより「(物理的に)できるかも……?」と、思ったことを試してみてくれる青木さんや現場の方々に頭の下がる思いです。印刷にもまだまだ未踏の地があるんだと確信できた企画でした。
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