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『tokyo MiDNiGHT BLUE』
紙:パチカ 四六判 130kg
箔:顔料箔242(紺色箇所)
加工:箔押し+空押し(熱圧押し)+型抜き
[crew]
加工/コスモテック
デザイン/NOGBo2X(野口尚コ)
有限会社コスモテックの箔押しの魅力を伝えるためのキャンペーン配布物を、当時、野口がいろいろ実験していた「棚ゴコロ」レーベルとのコラボのかたちで制作させていただきました(のちのち3部作展開することになります)。
この第1弾のお題は「東京タワー」をテーマにした「パチカの性質を生かしたタンブラー台紙」でした。
この「パチカ」という紙。白色度が高く、軽く嵩があり、しっとりさらさらとした肌触りでそのままならば不透明度も高い紙です。そして、最大の特徴として「熱・圧をかけたところが半透明化する」という特性があります。
透けたところからタンブラーの中が見え、ドリンクから浮かび上がる東京タワー。それを想像してみたとき、自分たちはドリンクの海底で働いているようなもんだなーという、ちょっと皮肉めいたイメージが湧き、そこからデザインを始めました。
東京の夜空の海を優雅に泳ぐきらめく魚や生き物たち、その海底を照らす沈んだビル群と東京タワー、そして緩くダウナーな時間を過ごす残業の民たち……(笑。ふとディスプレイや本から顔を上げたとき、窓の外の闇を彼らが毎晩たゆたっているような。その闇の向こうへ、思いを馳せてみるような気持ちで。
テクニカルな面では、まず悩んだのが透ける面積を確保しつつ、ベタ面を減らすこと。パチカは、その特性のためか非常に脆く柔らかい紙です。そこに通常の箔押しよりも高い温度で加工します。このとき広いベタ面があるとその部分が波打ってしまったり、周囲がたわんでしまったりして綺麗に加工できません。そのため、東京タワーの足の部分やカメの甲羅の部分に、紋様やストライプを入れて、ベタを細かく分割しています。
逆に細いラインで表現したクラゲの部分はラインが潰れることもなく、きれいな透け具合。パチカで半透明化のデザインをするときは、面より線での表現がオススメかも。腐食版(熱圧押しに使用する版)はエッジがナナメに広がるので、表現したい線よりもキモチ細めにデータを作ると良いかと思います。
さらに空押し以外に箔を1色使っていいとのことでしたので、差し色として、白地の引き締まる紺色の顔料箔を使用しました。イラストを夜空・海のイメージで制作したためマリンカラーも意識して、夏に合う爽やかなカラーリングに。
現場からの事前アドバイスでは、パチカは顔料箔の乗りが抜群に良いとのこと。確かにしっかり乗っています。こちらは半透明化とは逆に、ベタ面がしっかり乗る印象(細い部分にはバリがでやすいようで……)。
特殊紙は、それぞれの特性に合った加工方法ができるかどうかで効果が全く変わってくるので、それが難しくもあり、面白いところですね。これがきっかけで、このサンプル制作は半年を越えるコスモテックさんとの共同企画となりました。記念碑的な作品です。
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